研究課題/領域番号 |
17592130
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
松本 芳郎 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (20292980)
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研究分担者 |
割田 博之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30262207)
村本 健 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (30345300)
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キーワード | 顎骨 / 歯周組織 / メカニカルストレス / 咬合力 / 歯の移植 / 歯槽骨 |
研究概要 |
本年度は、ラットの歯の再植モデルおよび顎骨・歯槽骨成長期の実験モデルを用いて検討を行った。歯の移植モデルにおけるメカニカルストレスとしては、歯の再植前後の矯正力・咬合力を用いた。歯の再植前の矯正力・咬合力の有無による歯周組織の変化、抜歯時の歯根膜の付着状況、再植後の歯周組織の反応性の変化などを評価した。また、歯の再植後の矯正力・咬合力の有無による再植後の歯周組織の反応性の相違などを評価した。一方、顎骨・歯槽骨成長期の咬合力の有無による骨形成能の相違を評価した。 その結果、歯の再植前に矯正力または咬合力を加えた場合には、加えなかった場合と比較して、歯根膜腔が拡大し、容易に抜歯が行えた。その際、抜去歯に付着する歯根膜の量も多かった。さらに、再植した場合の歯周組織再生時に歯根吸収やアンキローシスが起こりづらくなった。また、歯を再植して一定のhealing期間の後に適度な矯正力または咬合力を加えた場合には、加えなかった場合と比較して、再植後の歯周組織に歯根吸収やアンキローシスが起こりづらかった。 さらに、顎骨・歯槽骨成長期に咬合力によるメカニカルストレスが加わらなくなると、歯槽骨部では、歯の挺出に伴い骨形成が活性化する部位があるものの、顎骨では全般に骨形成能が低下すること、また、咬合機能が回復すると、歯の挺出は抑制され、歯槽骨形成は鈍り、顎骨形成は促進することが明らかとなった。 これらのメカニカルストレス応答機構には様々な因子が関与していることが考えられ、現在詳細を検討中である。
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