研究課題
基盤研究(C)
本研究は、歯列咬合異常と舌機能発達過程に変異を示す小児に対し、治療の動機付けを確かなものにし行動変容を促すために、三次元表示された自らの顔と歯列のなかで舌の形状・位置を提示し、さらにはアニメーションとして、舌を安静時から嚥下時まで運動させる方法の開発を目的とするものである。平成17年度は、白色光格子投射型三次元形状測定装置模型計測部(テクノアーツ研究所、グラスプM)を用いて、上下別々に入力された歯列模型を、切歯咬合部・左右大臼歯咬頭嵌合部3点を共通入力項目として咬合させ、両者を一体として三次元表示するソフトウェアをテクノアーツ研究所と共同開発した。ついで、同装置顔面計測部(グラスプF)のハードウェアを一部更新した上で、小児からでも顔面情報を得られやすいように、白色光格子を投射する時間、回数などを最小限とするようにソフトウェアを改良した。平成18年度では、研究協力者1名をモデルとして、側貌頭部エックス線規格写真のスキャナー画像から得られる側貌の輪郭および歯列弓形状を介在させ、歯列模型と顔面を三次元構造として一体化し表現するソフトウェアを開発した。一方舌運動については、超音波画像では舌前方部1/3の構造が十分捉えられないため、まず、シリコーン印象剤を用いて安静時およぴ嚥下時の舌背と上顎歯列弓内面を印象採得して舌背模型を製作した。これらをグラスプMから入力して、先に述べた三次元構造にはめ込み、舌嚥下運動の起始点と終了点とした。超音波診断装置からは、舌背中央矢状断および第一大臼歯近心部前頭断の時系列画像を製作し、これらを組み合わせてアニメーション化する三次元舌運動の基本情報とした。しかし、舌運動のアニメーション画像を得るには3月末現在いたらず、次年度以降への課題として残った。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
小児歯科学雑誌 44・4
ページ: 534-540
口腔病学会雑誌 73・2
ページ: 165-171
The Japanese Journal of Pediatric Dentistry 44-4
The Journal of Stomatological Society, Japan 73-2
ページ: 1-7