研究課題/領域番号 |
17592137
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
荒木 佳子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30379763)
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研究分担者 |
宮脇 正一 鹿児島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80295807)
湊 雅直 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (40200076)
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キーワード | ブラキシズム / スプリント / 唾液 / ポリソムノグラフs |
研究概要 |
被験者に対して、カウンセリングと診査(口腔内、顎関節等)を行い、最近6か月間に3回/週以上の歯ぎしり、起床時における咀噛筋の疲労感や違和感ならびに歯の咬耗が認められる者をブラキシズム患者とし、これらの症状ならびに顎関節症状を共に認めない者を正常者とした。本研究に同意した被験者に対して、ビデオ画像撮影装置を用いて、睡眠時の咀嚼筋活動の記録と顎顔面運動等の記録を被験者の自宅で行い、国際的に用いられているLavigneらの研究用診断基準(4回/時以上のブラキシズムエピソード、25回/時以上のブラキシズムバーストならびに2回/晩以上の歯ぎしり音)に基づいて、ブラキシズム患者(患者群)と正常者(対照群)の最終診断を行った。 上顎全歯被覆型スプリントは、1mm厚の硬質レジンシートを加圧形成器によって作製した。 全被験者に対して、スプリントの装着時と非装着時(覚醒時)において、それぞれ安静時、最大噛み締め時ならびに咀嚼様運動時の5分間の唾液流出量を測定した。 ブラキシズム群および対照群における比較では、スプリント装着時および非装着時における全ての被験動作時において、ブラキシズム群の唾液流出率に、有意の差を認めなかった。全被験者に対するスプリントの効果の検討の結果、全ての被験動作において、咀嚼様運動時には、スプリントの装着、非装着に関わらず、安静位、噛み締め時に比べ唾液流出率が有意に増加した。また、噛み締め時においては、スプリント装着時に唾液流出率が非装着時に比べ、有意に高い値を示した。安静時においては、有意の差を認めなかった。 唾液流出率に対するスプリント装着の効果を検討すると、スプリント装着により唾液流出率が有意に増加する被験者と増加しない被験者が存在した。 今後、このスプリントを装着して唾液流出率が増加した群と増加しなかった群の睡眠時のブラキシズムエピソードを検討する予定である。
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