研究課題
基盤研究(C)
顎顔面は胎生期、神経堤から遊走して来た細胞が、頭部腹側でいくつかの顔面突起を形成し、それらが癒合・分化することで形成される。口唇を含む上顎は、神経堤細胞由来の顔面突起である上顎突起と内側鼻突起の癒合により形成が始まる。LOM homeobox遺伝子は、個体形成の設計図となる遺伝情報と考えられ、組織のパターン形成をつかさどることが示唆されている。われわれは、LIM homeobox遺伝子のうちL3/Lhx8が、chick embryoの上顎突起と下顎突起に特異的に発現することを示し、上皮由来因子がL3/Lhx8遺伝子発現を誘導していることを明らかにした。Chickは2次口蓋が癒合せず自然裂を発症するなど、哺乳類と相違点がある。そこでmouseとchickのL3/Lhx8遺伝子がcodeする蛋白配列について比較した。Chick L3/Lhx8 EST cloneはmouseと90%以上のhomologyを示し、ほぼ共通であることを確認した。Chick embryoの上顎突起を摘出し、RT-PCRを入った結果、L3/Lhx8は上顎突起の形成が始まるstage19HHから増加し、上顎突起と内側鼻突起が癒合するstage27HHをピークに減少した。また上顎突起と内側鼻突起が癒合する前では(stage26)、上顎突起、内側鼻突起の癒合する双方の部位に、強い発現が認められた。また、stage18 chick embryoの上顎突起の上皮を除去すると、上口唇に裂を生じ、著名な上顎の劣成長が認められた。L/Lhx8の発現は、上皮直下の間葉細胞に見られることから、上皮-間葉系の相互作用により発現し、上唇の形成にL3/Lhx8が深く関与していることが明らかとなった。
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