哺乳困難の原因として、低出生体重児や障害児に見られる吸啜機能の未熟性や、早期に人工乳首を与えられてしまうために起こるnipple confusion:乳頭混乱の問題が注目されるようになってきた。 母乳哺育は以前にも増して重要性が叫ばれる一方、母乳率は依然、低迷している現状の中で顎・口腔機能への悪影響も指摘されており、我々がこれまで様々な角度から吸啜行動を観察してきた中から、吸啜機能が未熟な低出生体重児や吸啜障害が予測される乳児と正常児との吸啜行動の差違、人工哺乳と母乳における吸啜行動の差違が明らかになってきた。本研究では乳児の吸啜運動の動的変化を超音波診断装置を用いて計測し、その動きを時系列的に定量化することにより吸啜障害の病態(特に舌癒着症児の吸啜運動の特徴)を明らかにし、舌癒着症手術前後の運動の変化について明らかにした.
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