研究課題/領域番号 |
17592149
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
中納 治久 昭和大学, 歯学部, 講師 (80297035)
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研究分担者 |
山口 徹太郎 昭和大学, 歯学部, 助手 (40384193)
綿引 淳一 昭和大学, 歯学部, 助手 (60384351)
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キーワード | 咀嚼運動 / 下顎骨 / 成長発育 / 遺伝子 / 力学 |
研究概要 |
下顎骨の成長発育様相は他の長管骨とは異なる特殊性を有しており、その形態の決定過程では遺伝因子と環境因子が密接に関連していることが明らかとなっている。我々は、過去の研究から下顎頭軟骨切片上からダイレクトに超微量な遺伝子発現を定量評価出来る硬組織Laser Microdissection法を確立し、生理的な下顎頭軟骨の成長発育の包括的遺伝子発現プロファイルの観察を行ってきた。また、力学解析の手法を用いて物理的環境変化が下顎骨のその後の成長発育に影響を及ぼす事を報告してきた。具体的には1)咀嚼運動が引き起こす下顎頭軟骨における包括的遺伝子発現変化の観察。2)数理モデル(等価強度変化法)を用いた咀嚼運動における力学解析を行う。本年度においては咀嚼運動が引き起こす下顎頭軟骨における包括的遺伝子発現変化の観察を行った。その結果、咀嚼運動によって下顎頭軟骨の遺伝子発現プロファイルの変化を確認した。具体的には、当初予想していた成長因子の他、興味深い転写因子の発現差異が確認できた。今後、さらに変化のあった遺伝子群の機能解析をする事でその後の下顎骨成長発育に及ぼす変化を推測することができる。また、等価強度変化法によって作成したセルオートマトンモデルに上記の遺伝子の機能を考慮し条件を設定する。以上のように生体の遺伝子情報を組み入れた力学モデルを用いることで阻嚼運動が下顎骨成長発育および形態に及ぼす影響をより正確に把握する事が可能になる。また、矯正臨床においても成長期治療および顎変形症治療においても非常に有益な情報に成りえるものと考えられる。
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