研究概要 |
歯を移動した際の遺伝子発現についての研究なので、実験動物としては、ヒトと類似しており、しかも全遺伝子が明らかとなっているラットを用いることとした。本年度はノーマルコントロールとして歯の移動などの処置を施していない歯根膜採取し、DNAマイクロチップを用いて、正常下での歯根膜の発現遺伝子を検索、解析し、今後の実験のスタンダードとすることにした。また、正常な歯根膜の対象として同じ結合組織である歯肉下部の結合組織を用いた。 凍結切片からlaser microdissection法を用いて分析可能な量のRNAを採取し、microarrayによる分析ができた。歯根膜と歯肉下部の結合組織では、遺伝子の発現に大きな違いがみられた。歯根膜と歯肉を比較すると、歯肉よりも約5倍以上遺伝子発現がupregulateされている遺伝子が300以上示された。また、歯肉よりもその発現量が約1/15以下にdownregulateされているものが300以上示された。これらの違いのみられる遺伝子には、cell-cycle regulation, protein processing, metabolism-related, extraxellular matrix, cytokine/growth factor, transmembrane protein, transcription factor, Signal transduction, cytoskeketon-related, protease/inhibitorやintracellular carrier/transporterに関係するものが含まれていた。現在これらの遺伝子についてさらに詳しくに解析中である。
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