研究概要 |
ラクトフェリン誘導体合成およびLPS-LBP結合阻害能の測定:hLf33(GRRRR SVQWC AVSQP EATKC FQWQR NMRKV RGP),hLf37 (GRRRR SVQWC AVSQP EATKC FQWQR NMRKV RGPPV SC),hLf19 (GRRRR SVQWC AVSQP EATK),hLf20-37 (C FQWQR NMRKV RGPPV SC),hLf20-37S (C FQWQR NMRKV RGPPV SC)C-C間にS-S結合,の5種類のペプチドを各5mgずつ合成する予定であったが,このうちhLf33,hLf20-37,hLf20-37SおよびhLf33の28番目のアルギニン(R)をリジン(K)へと変えたhLf33Kの4種類のペプチドについて,LPS-LBP結合阻害能の測定を行った。hLfを含むすべてのペプチドを2.5μMの濃度にして測定したところ,hLfの結合阻害能はがPMB 250ng/ml相当であった。他のペプチドはいずれもhLfの1/10程度の阻害能を示したが4種類のペプチド間で有意差は認められなかった。ところが,加えるペプチドを40倍の濃度つまり100μMにして測定したところ,hLf33>>hLf33K>>hLf20-37>hLf20-37Sという結果が得られた。この結果から,hLfのLPSへの結合には20番目と37番目のシステイン間のS-S結合は必須ではなく,28番目のアミノ酸は阻害能に大きな影響を与える可能性が示唆された。 TNF-α産生,細胞死,細胞増殖の測定:いずれのペプチドにも産生を抑制したが,hLfと比較するとその効果は小さいことが明らかになった。 細胞表層へのhLfの結合能および化学走化性(ケモタキシス)の測定:データの変動が大きいため現在も検討中である。
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