研究概要 |
1.ケモタキシス測定系の変更 ケモタキシスチャンバーによって得られた実験結果は,データの再現性に問題が認められたためWongらの方法に従いChemoTx 96穴ケモタキシスチャンバー(NeuroProbe社)を使用して行った。この方法では,一つのデータ群について6個のウェルが確保でき一枚のプレートですべての測定を終えることができたので,再現性の良い結果が得られた。 2. ChemoTx 96穴ケモタキシスチャンバーを使った結果 THP-1細胞をビタミンD3存在下で活性化させた後,下部チャンバーウェルに走化性因子を各々単独,あるいはhLF(200μg/ml)と共に加えた。その後,上部チャンバーウェルに細胞懸濁液を加え,遊走した細胞数を算定した。LPSを除くいずれの走化性因子を加えても遊走細胞数は増加したが培地のみでも認められたことから,この遊走はケモタキシスではなくランダムマイグレーションだと考えられた。10ng/ml以上のLPSを加えると遊走細胞数は減少したが,同時にhLFを加えるとLPSの影響は低減された。本研究から,hLFはLPSによるランダムマイグレーション阻害を抑制することが明らかになった。 3.ラクトフェリン誘導体合成およびLPS-LBP結合阻害能の測定 各合成ペプチドの濃度を2.5μMから100μMまで変化させて結合阻害能を測定した結果,平成17年度と同様にhLf33>>hH33K>>hLf20-37>hLf20-37Sという結果が得られた。
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