研究概要 |
明海大学歯学部付属明海大学病院の内科に通院する2型糖尿病患者および同病院歯周病科に通院する歯周炎患者,また,コントロールとして,全身疾患および歯周炎の既往歴のない健常者を被験者とし,歯周病検査および糖尿病検査を行った。被験者より末梢血を,DNA抽出用として2Na-EDTA含有真空採血管に5ml,血清採取用として抗凝固剤を含まない真空採血管に5mlに分取した。採取した末梢血より,DNA Extractor WB Kitを用いてDNAを抽出し4℃で保存した。 遺伝子型の決定はrestriction fragment length polymorphism method (RFLP)法により行った。まず,DNA調整液より,MBL遺伝子エクソン1のコドン54部位における多型部位を含む遺伝子に特異的なプライマーを用いてpolymerase chain reaction (PCR)法により,94℃で30秒間の熱変性,58℃で1分間のアニーリング,72℃で1分間の伸張反応を1サイクルとして35サイクル増幅した。次に,PCR産物を制限酵素Ban Iを用いて1時間インキュベートした。制限酵素処理したPCR産物は2%アガロースゲルにより,電気泳動後,エチヂウム・ブロマイドにより染色した。処理産物の断片ペプチドの長さから,メジャーアレルであるアレル1は245および84 bpの2つのバンドに切断され,マイナーアレルのアレル2は切断されず329 bpの1バンドとして検出された。その結果にもとずき,MBLコドン54部位の遺伝子型についてアレル1のみ保有しているものを野生型,アレル1およびアレル2を保有するものをヘテロ型,アレル2のみ保有するものはホモ型とした。 血清MBL濃度は,ELISA法により吸光光度計を用いて測定した。
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