研究概要 |
1)MBL遺伝子多型の検出・血清MBL濃度の測定 平成17年度から引き続き,被験者を集め,歯周病学的および糖尿病学的検査,MBL遺伝子多型解析,そして血清MBL濃度測定を行った。 2)歯周病原性細菌のMBLとの結合性に関する検討 Porphyromonas gingivalis 381株,そしてMBLと結合することがすでに報告されているPropionibacterium acnesをコントロールとして実験に供した。供試細菌は固形培地上で3日間嫌気培養後,ベローナル緩衝液中に懸濁し,540nmにおける吸光度が1.0となるように調整した。;細菌懸濁液中にMBLを添加し,37℃にて1時間反応させた。TBSにて洗浄し,遠心沈殿(9,470×g,1分間)後,上清を除去し,ペレットをグアニジンにて可溶化した。再遠心沈殿後,その上清をニトロセルロース膜にプロットした(Immuno-dot Blot法)。膜はBSAにてブロッキングを行った後,TBS-tweenにて洗浄し,マウス抗ヒトMBL抗体を1時間反応させた。洗浄後,ウサギ抗マウスIgG抗体を1時間反応させ,ECLを用いて化学発光を行った。その結果,段階希釈したMBLとP.acnesを反応させたところ,MBL濃度が0.1ng/lから発色は検出され,100ng/lまで濃度依存的に発色強度は増強した。P.gingivalisにおいて検出された発色強度は,コントロールであるP.acnesとほぼ同等であった。MBLと糖鎖の結合はCa++依存性であることから,菌体とMBLの反応液にEDTAを添加したところ,両菌ともに発色強度は抑制された。また,マンノースによってMBLと菌体の糖鎖の結合が競合的に阻害されるか否かを検討したところ,両菌ともにマンノースの添加によって,発色強度は抑制された。
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