研究概要 |
口腔内には500種を超す細菌が複雑なバイオフィルムを形成している。これらのバイオフィルムの構成細菌のうち一部が増加することにより齲蝕や歯周病が起こる。歯周病はグラム陰性偏性嫌気性菌によって引き起こされる。慢性歯周炎病巣では、Porphyromonas gingivalis,Treponema dentrcola,Tannerella forsythensisがバイオフィルム中に占める割合が増加していることが知られている。本研究ではこれらの細菌のバイオフィルム形成のメカニズムおよびバイオフィルムに対する抗菌剤の効果について解析し、薬剤によるバイオフィルム形成阻止による歯周炎の治療の確立を目的とした。 Ptanktonic な P.gingivalisに対するpovidone-iodine gargleの効果を検討した結果、chlorhexidineに比較して高い殺菌効果が認められた。そして、この作用がバイオフィルムでも認められるかどうかを明らかにするために、24well plateにcell culture insertを入れ、嫌気条件下でヘミンとメナジオンを含むTryptic soybroth中でpolycarbonate membrane(PCM,0.4μm孔)上にP.gingivalisを接種し、そのバイオフィルム形成能を定量的に測定する系を構築した。その系を用いて。povidone-iodine gargleの種々の濃度と作用時間での効果を調べた結果、P.gingivali単独のバイオフィルムに対してpovidone-iodine gargleは1〜2%の濃度をborder lineとして、それ以上の濃度では100〜1,000倍有効な殺菌力を示した。
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