平成17年度は実験計画に従い、糖尿病ラットの作製と実験的歯周炎モデルの確立のために動物実験を実施し、現在も継続中である。 糖尿病ラットについてはstreptozotocin(STZ)誘発糖尿病ラットを用いている。報告者らの過去の報告に基づき、STZ(65mg/体重kg)をラットの腹腔内に投与し、投与後2日から2週間持続して血糖値が平均300mg/dl以上のものを糖尿病ラットとした。20匹の7週齢ウィスター系雄性ラットに対しSTZの投与を行ったところ、20匹全ての血糖値が上記の条件を満たしていたことと飲料水や食餌の摂取量の増加(多飲・多食)や多尿といった糖尿病症状を呈していたことから糖尿病が誘発したものと判定した。現在、この20匹の糖尿病ラットを用い、実験的歯周炎モデルの確立に取り組んでいる。 実験的歯周炎モデルについては、Porphyromonas gingivalis由来の内毒素(LPS)・蛋白分解酵素を用いる予定であったが、Escherichia coli由来のLPSやStreptomyces griseusの蛋白分解酵素による実験的歯周炎が過去に報告されており、後者のLPSと蛋白分解酵素を用いることとした。実験的歯周炎を惹起するためのLPSと蛋白分解酵素の投与については、液体状にしたものをマイクロピペットで歯肉溝に投与する方法とカルボキシメチルセルロースでペースト状にしたものを歯肉溝へ挿入する方法を計画している。現在はLPSと蛋白分解酵素を液体状にしたものを投与する方法を行っている。LPSの濃度が25μg/ml、50μg/ml、100μg/mlの群に分け、検討中である。
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