研究課題
基盤研究(C)
自己免疫疾患モデルマウスMRL/lprマウス(5ヵ月齢)7匹と同齢の対照マウスMRL/+マウス10匹を用い、シェーグレン症候群の発症機構における唾液腺細胞の抗原提示細胞としての役割について免疫組織化学的に調べた。MRL/lprマウスから摘出した顎下腺をパラホルムアルデヒドで固定した後、パラフィンに包埋し、薄切組織切片を作製した。この組織切片に酵素抗体法(SAB法)により免疫組織染色を行い、costimulatory factorであるCD80、CD86、4-1BB ligand (4-1BBL)、 OX40 ligand (OX40L)、 GITR ligand (GITRL)の発現について調べた。その結果、CD80とCD86の発現は顎下腺導管細胞に認められ、MRL/lprマウスでは両者とも7匹全てに発現していたが、対照マウスではそれぞれ10匹中3匹、10匹中1匹の顎下腺にのみ発現を認めた。CD80とCD86の発現頻度に関してMRL/lprマウスと対照マウス間に有意差を認めた。また、4-1BBL、OX40L、GITRLの発現も顎下腺導管細胞に認められ、MRL/lprマウスではそれぞれ7匹中6匹、7匹全て、7匹中4匹に発現していた。一方、対照マウスではOX40Lの発現を7匹中4匹に認めたが、4-1BBLとGITRLの発現は認められなかった。4-1BBL、OX40L、GITRLの発現頻度に関してMRL/lprマウスと対照マウス間に有意差を認めた。唾液腺導管細胞にはMHC class II抗原が発現しており、non-professional抗原提示細胞としての性質があるということは既に報告されている。今回の研究結果から、抗原提示細胞としての機能を持つ唾液腺導管細胞に発現している5つのcostimulatory factorが自己免疫唾液腺炎の発症に関係していると考えられた。
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