研究課題/領域番号 |
17592178
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
内藤 真理子 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (10378010)
|
研究分担者 |
福原 俊一 京都大学, 大学院医学研究科, 教授 (30238505)
鈴鴨 よしみ 東北大学, 大学院医学研究科, 講師 (60362472)
|
キーワード | QOL / 口腔保健 / 国民標準値 / 尺度開発 / 質問紙 |
研究概要 |
平成18年度も引き続き、口腔分野のQOL尺度であるGeneral Oral Health Assessment Index(GOHAI)日本語版に関する検討をおこなった。平成18年2月に実施した全国調査結果を基にGOHAIの国民標準値を設定し、公表した。また、GOHAIスコア(最低12点、最高60点)を0-100得点に変換し、国民標準値が50点、その標準偏差が10点となるように置き換えた得点、「国民標準値に基づいだ得点(Norm-based scoring: NBS)」を算出した。近々、あらたな評価方法として公表する予定である。 全国調査(抽出された15〜79歳の男女2400名対象)の結果から、主な知見として次のものが得られた。男性においては加齢とともに口腔関連QOLが低下する傾向にあった。30代と70歳以上を除き、男性は女性より高い口腔関連QOLを示した。職業間の検討では、自営業の女性はそれ以外の職業の女性と比較して口腔関連QOLがより高かった。全身の主観的健康観の低さや口腔内アフタ出現は口腔関連QOLの低下と有意な関連が認められた。40歳未満では収入と口腔関連QOLの間に、40〜59歳では教育歴と口腔関連QOLの間に、有意な正の相関が認められた(P<0.05)。60歳以上では、都市の居住者はより低い口腔関連QOLを示す傾向があった(P=0.07)。以上の結果から、口腔関連QOLは全身の健康状態に関連していると考えられた。また、ある年齢層において社会経済状況と口腔関連QOLは関連していることが示唆された。口腔関連QOLと年齢の関係は性差があることが推察された。 さらに、職域を対象とした疫学調査から26〜97歳の男女10169名のGOHAIデータを収集し、現在解析中である。最終年度はこれまでに蓄積されているGOHAIデータを整理し、データバンク構築に向けて準備を進めていく予定である。
|