研究課題/領域番号 |
17592179
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
片岡 宏介 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50283792)
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研究分担者 |
林 直治 大阪大学, 歯学部附属病院, 助手 (10303984)
永田 英樹 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (50260641)
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キーワード | 粘膜免疫 / 経鼻免疫 / アジュバント / T細胞非依存性抗原 / 唾液IgA / B細胞 / 自然免疫 |
研究概要 |
マウス唾液腺における分泌型IgA抗体誘導のための自然免疫系における粘膜アジュバントの役割と粘膜免疫実効組織としての唾液腺の分子細胞メカニズムを解明するために、実験マウス群にはT細胞非依存性抗原(TNP-LPS)と粘膜アジュバントであるコレラトキシン(CT)を、対照マウス群にはTNP-LPSのみを経鼻投与し、唾液ハプテン特異的抗体産生誘導能と唾液腺における抗体産生誘導のための細胞-細胞間のコミュニケーションを分子細胞学的手法を用いて解析することを試みた。実験群では対照群と比較して、唾液、鼻腔洗浄液中においてTNP特異的IgA抗体価と、また全身免疫応答である血清中のTNP特異的IgMおよびIgG3抗体価の上昇を認めた。鼻咽腔粘膜、顎下唾液腺、NALTにおけるTNP特異的IgA抗体産生細胞数の上昇と脾臓においても抗体産生細胞数の有意な上昇を認めた。顎下唾液腺単核球細胞中のB細胞サブセットについて、対照群と比較してCD5^+sIgA^+B細胞が有意に増加しており、またこのB細胞は、IL-5レセプターを強発現していることをフローサイトメトリー法により明らかにした。そして、顎下唾液腺からのB細胞を除いた単核球細胞の培養上清中のサイトカインプロファイルでは、Th2型サイトカイン、特にIL-5の分泌誘導を有意に認めた。また、顎下唾液腺からの単核球細胞のToll-like receptor 2および4のmRNAレベルを定量的PCR法により測定したところ、対照群と比して有意な発現上昇を認めた。以上より、粘膜アジュバントとしてのCTは、胸腺非依存性抗原に対して、Toll-like Receptorを介した自然免疫応答を賦活化しIL-5レセプターを強発現したCD5^+sIgA^+B細胞の誘導とそれによる抗体誘導の可能性が示され、自然免疫系から獲得免疫系への橋渡しを増強していることを示唆するものと考える。
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