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2005 年度 実績報告書

歯周組織における破骨細胞形成抑制因子および促進因子の機能的役割り

研究課題

研究課題/領域番号 17592181
研究機関広島大学

研究代表者

島津 篤  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10274094)

研究分担者 河本 健  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (50224861)
キーワード歯周組織 / 破骨細胞 / 歯周病
研究概要

高齢化社会を迎える先進諸国において、歯の喪失はQOL(Quality of Life)を阻害する重要な問題であるが、残念ながら日本において現在80才の人の平均歯数は8本が現状である。中高年が歯を喪失する原因の一つに歯周疾患(歯槽膿漏)が上げられるが、これらに対する予防法、治療法は十分確立されておらず充分な効果を上げていない。生涯自分の歯で噛める人を増やすためには、より効果的な予防法、治療法の開発、普及が望まれている。近年、骨芽細胞自身が、破骨細胞形成抑制因子(Osteoprotegerin ; OPG)、破骨細胞分化促進因子(Osteoclast Differentiation Factor ; ODF)を分泌し破骨細胞形成を制御していることが明らかになった。最近私たちは、歯根膜細胞自身がOPGを発現し、破骨細胞の形成を抑制し歯周組織の機能維持に関与していることを示唆する知見を得た。
また歯周病による炎症性骨吸収の主役は、生体内で唯一硬組織を吸収できる破骨細胞である。今回、破骨細胞前駆細胞RAW264.7を用いた破骨細胞分化系でPCRによる分化マーカーの発現上昇を検討した。RAW264.7細胞をODFにて刺激すると,用量依存性にTRAP,カテプシンK,カルシトニンレセプター等の分化マーカーの発現上昇と共にNFATc1の誘導が認められた。さらに共刺激シグナルのうちOSCARの発現上昇が認められたが,PIR-A,PIR-B,TREM2,TREM3,DAP12の発現量については,変化が認められなかった。
破骨細胞前駆細胞から破骨細胞への分化は,ODF-RANKシグナルの刺激により,マスター転写因子であるNFATc1の誘導,活性化にはOSCAR、TREM-2、PIR-Aといった免疫受容体からの共刺激シグナルが必要なことが知られているが,共刺激シグナルのうち,破骨細胞の分化過程において発現量の上昇を伴うものと発現量に変化が認められないものが存在することが判明した。
このようなデータの結果を踏まえ最終年度となる来年度は,破骨細胞の分化過程での詳細な検討をPCR法を用いてさらに追求を行いたい。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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