研究課題/領域番号 |
17592186
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (80244789)
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研究分担者 |
吉田 明弘 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (20364151)
秋房 住郎 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (40295861)
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
邵 仁浩 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (10285463)
竹原 直道 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (00038879)
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キーワード | ドライマウス / 口腔乾燥 / 唾液分泌 / 臨床疫学 / 舌痛症 / DHEA |
研究概要 |
近年口腔疾患の疾病構造の変化に伴い、口腔乾燥や舌痛を訴える患者が増加している。一般に口腔乾燥症の病態は、唾液量の低下、口腔乾燥感および唾液の質的変化に分けられることが知られている。口腔乾燥症は高齢者で、とくに女性に多く認められることから性ホルモン量との関連が示唆されている。しかし、唾液中ホルモンの変化についてはほとんど明らかにされていない。そこで今回我々は、福岡県に在住する高齢者を対象に唾液流出量、口腔の自覚症状および唾液中ストレスホルモンcortisol、dehydroepiandrosterone(DHEA)の関連を調べた。唾液中DHEA濃度は性別、唾液流出量(刺激時)および舌痛との間に有意な相関関係が認あられた。対象者140名を唾液流出量(刺激時)と口腔の自覚症状である口腔乾燥感、舌痛、味覚異常(以下、OSC)の有無を基に4つのグループに分類した。すなわち、グループI:唾液流出量<0.7ml/minおよびOSC有、グループII:唾液流出量<0.7ml/minおよびOSC無、グループIII:唾液流出量≧0.7ml/minおよびOSC有、グループIV:唾液流出量≧0.7ml/minおよびOSC無、の4グループである。唾液中DHEA濃度はグループIにおいて最も高く、グループIVとの間に有意差が認められた。一方、cortisol濃度は群間に有意差は認められなかった。さらに判別分析の結果、唾液中DHEAはグループ間を識別する有意な因子であることが示唆された。以上の結果は、唾液中DHEAが口腔乾燥症・舌痛症を評価するバイオマーカーのひとつとして有用である可能性を示唆している。
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