研究課題/領域番号 |
17592188
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
岸 光男 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (60295988)
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研究分担者 |
阿部 晶子 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (90185992)
相澤 文恵 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (80216754)
杉浦 剛 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (50382627)
米満 正美 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (80092451)
吉田 康夫 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (10315096)
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キーワード | 口臭 / 舌苔 / 硫化水素 / メチルメルカプタン / 非経口的栄養摂取 / Streptococcus anginosus / 舌清掃 / プロフェッショナルケア |
研究概要 |
1.岩手県内の特別養護老人ホームにおいて口腔内診査を行い、残存歯数、義歯使用状況、認知症程度を経管栄養者と経口栄養者でマッチングし、ポータブルガスクロマトグラフィによる口中気体における硫黄化合物(VSC)濃度を硫化水素およびメチルメルカプタン濃度別に測定した。その結果、経口摂取群と非経口摂取群の群間比較では口中VSC濃度に有意な差を認めなかった。一方、VSC濃度とその他の口腔内状況との関連を群内で分析すると、非経口摂取群で現在歯数、未処置歯数と有意な関連を呈し、舌苔スコアや口腔清掃状態とも高い相関係数を呈した。これらより、口腔内状態が良好な場合、非経口摂取が強い口臭の原因になることは少ないが、残存歯の状態や口腔清掃状態が不良な場合には非経口摂取者の口臭が顕著になる可能性が示唆された。 2.昨年度実施したS.anginosusの硫化水素産生酵素であるβC-Sリアーゼの粗精製酵素標品に対する糖質添加の活性への影響と同様の実験系を用いて本年度は飲用水中の微量元素の影響を検討した。鉄、パナジウムなどのミネラルを豊富に含む天然水を反応混液に添加したところ、6.25%の添加濃度で酵素活性を約50%阻害した。現在成分別の研究を計画中である。 3.口臭のうち、口腔内に著明な歯周病や腐敗病巣がないときの原因である舌苔の除去を目的としたプロフェッショナルケア(PC)の有効性をセルフケア(SC)による清掃と比較検討した。その結果PCよる舌清掃はSC比べて主観的な侵襲が低い傾向にあり、除去効果は視診評価で有意に高い結果となった。また、清掃後の舌表面の細菌サンプル培養により、清掃後の舌表面の細菌数がPCで低い傾向が認められ、細菌学的にもPCが有効である可能性が示唆されている。
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