昨年度作成した提示映像をもとに、セミナーに参加した新人看護師106名(平均年齢は22.5±2.1歳)に、中心静脈カテーテル挿入中の患者の点滴管理のヒヤリハット体験と学生の点滴管理に関する危険予測に焦点をあて、分析・検討を行った。 その結果、中心静脈カテーテル挿入中の患者の点滴を管理したことのある者は71名(07.0%)であった。中心静脈カテーテル挿入中の患者の点滴を管理する上でヒヤリハットを体験したことかあると回答した者は、71名中30名(42.3%)であった。ヒヤリハットを体験したことがある者30名のヒヤリハット回数は、1.4±0.7回であった。 中心静脈カテーテル挿入中の患者の点滴を管理したことのある者、ない者とで点滴を管理するうえでの危険要因を比較した。中心静脈カテーテル挿入中の患者の点滴管理の経験のある者が回答した危険要因は309件であり、そのうち内的要因が195件(52.8%)、外的要因が174件(47.2%)であった。点滴管理の経験のない者が回答した危険要因は134件であり、そのうち内的要因は82件(61.2%)、外的要因が52件(38.8%)であった。中心静脈カテーテル挿入中の患者の点滴管理の経験のある者が回答した項目で30%以上の対象者があげた項目は、内的要因では「認知症である(37.4%)」であり、外的要因では「ラインの状態(32.8%)」であった。点滴管理の経験のない者が回答した項目で30%以上の対象者があげた項目は、内的要因では「認知症である(30.0%)」であり、外的要因では「22時(38.5%)」、「ラインの状態(30.8%)」であった。危険要因で中心静脈カテーテル挿入中の患者の点滴を管理したことのある者が挙げた項目数の平均は5.2±2.3項目であり、ない者の挙げた項目数の平均は4.4±2.1項目であった。
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