19年度は、中心静脈カテーテル挿入中の患者の点滴管理に関する刺激写真を用いて、関東1都6県の500床以上を有する一般病院2施設に勤務する看護師を対象に、瞬時に察知できる危険予測と危険防止対策等を検討した。その結果、回収した360件(75.0%)のうち、有効回答件数286件(79.4%)であった。対象の平均年齢は31.3±9.7歳で、女性270名(94.4%)、男性16名(5.6%)であった。勤務年数は平均8.7±8.7年で、勤務病棟は内科系が80名(28.0%)、外科系が54名(18.9%)、混合病棟が78名(27.3%)、特殊部門が53名(18.5%)であった。職位で最も多かったものはスタッフ259名(90.6%)、最終学歴で最も多かったものは看護系専門学校268名(93.7%)であった。リスクマネージメント科目の履修があった者は86名(30.1%)、なかった者は187名(65.4%)であった。点滴管理の実務研修があった者は211名(73.8%)、なかった者は73名(25.5%)であった。点滴管理におけるヒヤリハット体験があった者は179名(62.6%)で、平均回数3.5±4.1回であった。危険箇所を内的危険箇所・外的危険箇所に分類し抽出したところ、内的危険箇所が79件(15.0%)、外的危険箇所が449件(85.0%)挙げられ、計528件、平均1.8±1.2件だった。また、起こりうる危険は、点滴ライン、危険行動、点滴、点滴台、環境に関連した危険に分類し抽出したところ、計671件、平均2.3±1.5件挙げられた。危険防止対策については、観察(OP)、実施計画(TP)、教育計画(EP)の3つのカテゴリーに分類し抽出したところ、観察計画40件(5.7%)、実施計画648件(92.0%)、教育計画17件(2.3%)挙げられ、計705件、平均2.5±1.7件であった。
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