研究課題/領域番号 |
17592200
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
紺家 千津子 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (20303282)
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研究分担者 |
真田 弘美 東京大学, 医学系研究科, 教授 (50143920)
須釜 淳子 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (00203307)
大桑 麻由美 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (30303291)
北川 敦子 東京大学, 医学系研究科, 助手 (80343185)
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キーワード | 看護学 / 臨床 / 褥瘡 / 分子生物学 |
研究概要 |
褥瘡ケアの良否の評価は、創傷を肉眼的な観察によってのみ、いわば観察者の経験知によって判定している。さらにその判定を行なうには、2週間経過しないと創の状態が変化しない。そのため、望ましいと判断したケアが褥瘡の治癒を遅滞させるだけではなく、悪化させる危険性がある。そこで本研究は褥瘡のケア評価方法を早期にかつ客観的に評価できる分子生物学的視点からサイトカインに注目し、サイトカインによるケア評価基準を開発することを研究の目的とした。そして、今年度は治癒遅滞している褥瘡の形態的分類とサイトカイン(IL-1α・1β、bFGF、IL-4、TGF-β1、VEGF、PDGF-AB)の量の特徴を抽出し、ケア介入後のサイトカインの推移を調査した。 対象者20名の調査結果からは、褥瘡の浸出液中からは毎回定量可能なレベルでIL-1α・1β、VEGFが検出されたが、創の治癒が遅滞しているときにはbFGF、IL-4、TGF-β1、VEGF、PDGF-ABは毎回検出されないこともあった。治癒過程との関係では、ずれ予防、創の排泄物による汚染予防や細菌をコントロールする薬剤を使用すると、サイトカインに変化がみられた。ケア介入後1週間後TGF-β1が上昇していると2週間後にポケットの接着を確認できた。ケア介入後3日後bFGFが上昇していると10日目移行に肉芽組織増殖と表皮形成時を認めた。 以上より、創の治癒過程からどのような創の変化が次に起こるのかは予測可能であるため、治癒過程の状況より必要時どの項目のサイトカインをいつ調査すればよいのかという指標が見出されたといえる。そこで、来年度はその指標が妥当かを検証する予定である。
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