研究概要 |
本研究では、1)情報収集における面接に必要な知識・技術・学習環境を明らかにし、2)実践的なシミュレーション集中トレーニング法のプログラム化を行うことを目的とした。まず、臨床実習と学内演習のリンケージに基づく面接技術教育に必要な知識・技術・学習環境を明らかにするために、1)調査1(臨床実習連動型の教育プログラム実施期間中の縦断的な基礎調査,n=71〜74)のデータ分析、2)調査2(追加調査,n=61及びn=35)の実施とそのデータ分析を行った。臨床実習連動型の教育プログラム案では、(1)臨床見学実習、(2)面接技術の講義、(3)学内演習1(ペア学習)、(4)学内演習2(ロールプレイング演習)、(5)臨床看護技術実習の5段階とした。質問紙には、5段階順序尺度による25項目で(1)面接技術の重要性や課題意識、(2)面接技術実施の心理的状態、(3)面接場面の実施状況などを問い、自由記述により(4)面接技術の理解内容や(5)面接技術の学習内容と方法に関する設問を設定した。看護実践における面接技術の重要性に関しては、その重要性を認識した者の割合が臨床看護技術実習で有意に高く(p<0.01)、学習課題に対する意識も高かった。具体的な技術モデルとなる場面の体験を有した者の割合も、見学実習よりもロールプレイングの場面や看護技術実習の方が有意に多かった(p<0.01)。異なる教育法による追加調査では差異も見られた。また、重要性の認識は、臨床実習と学内相互に有意な相関が認められたが、特にロールプレイング演習と看護技術実習での認識と有意な相関があり(r=0.470,p<0.01)、学内での効果的な演習が、臨床実習の認識に影響することが示唆された。しかし、学内演習での実践面での重要性の認識や臨場感には課題があり、実践的な学習環境に対するニーズもあることから、面接技術教育プログラムとしては、学内演習のシミュレーション設定の具体的な内容検討の必要性と方向性が明らかになった。
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