研究課題/領域番号 |
17592207
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大池 美也子 九州大学, 医学部, 教授 (80284579)
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研究分担者 |
北原 悦子 九州大学, 医学部・保健学科, 教授 (60204905)
原田 広枝 九州大学, 医学部・保健学科, 助教授 (60380383)
長家 智子 九州大学, 医学部・保健学科, 助教授 (70207976)
山本 千恵子 九州大学, 医学部・保健学科, 助手 (80363357)
末次 典恵 九州大学, 医学部・保健学科, 助手 (60363355)
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キーワード | 看護学教育 / ナラティブ / 臨床経験 / 教育方法 |
研究概要 |
本年度の実施計画は、1)教育に関わる教員の臨床経験の継続的なデータ収集、2)次年度に向けた物語導入に関する教育方法学的検討である。看護系大学の看護教員(以下教員と略す)が授業(講義・演習・実習)で臨床経験を語る現状を調査した結果では、386名(回収率47%)のなかで、96%(372名)が授業中に臨床経験を話すことを重要であると回答した。臨床経験を話す教育的な効果への期待があり、授業のねらいや状況を判断した上で、話す対象となる臨床経験を授業に活用している可能性が示唆された。しかし、臨床経験を話す教育的な影響が明らかにされているとはいえず、教員が話す臨床経験がもたらす学習効果を明らかにしていく必要があることが明らかにされた。しかし、本調査は、語ることを肯定的に捉えた教員からの結果であったため、否定的な意見を捉えることができなかった。現在、臨床経験に対して、インタビューの了承を得られた看護教員から継続してインタビューを実施している。自分の臨床経験を講義に活用している看護教員は、その利用の目的意識や有効性を自覚していることは少なかった。しかし、自己の失敗を繰り返し実施してほしくないことや特に安全性に対する期待や実践のジレンマへの対応などが、語るなかで表出されていた。教員の臨床経験には、具体性があり、臨場感溢れる内容であるとともに、それらには教育的価値があることが推測された。平成19年度はこのような臨床経験の教育的活用に向けて、授業計画に導入していく予定である。
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