研究課題/領域番号 |
17592207
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大池 美也子 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80284579)
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研究分担者 |
北原 悦子 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60204905)
原田 広枝 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (60380383)
長家 智子 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (70207976)
山本 千恵子 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (80363357)
末次 典恵 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (60363355)
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キーワード | ナラテイブ / 臨床経験 / 教育方法 / 看護教員 |
研究概要 |
平成19年度では、アンケート調査結果の自由記述に記載された(510名中261名分)を対象に臨床経験を語ることについで分析した。全文字数は36663字数、平均:140.13字であり、臨床経験と教育経験が多い教員ほど記載字数が多い傾向にあった。また、記述内容は、「学習への影響」、「語る理由・目的」、「語る内容」、「学習への影響」、「学生の反応」、「語るための技術・留意点」、「語ることの弊害・限界」、「学生の状況・特徴」、「臨床と教育の連繋」、「教員の学び」、「教員側の準備」、「時間不足」の12項目に大別された。これらの結果から、教員が臨床経験を語ることへの意義を認識している一方、語ることを懸念していることも伺われた。教育方法として展開していくためには、臨床経験を語ることがどのような学習をもたらすかを明確にしていく必要性が確認された。 平成19年度は、アンケート調査結果より、直接インタビューに了承を得られた全国の看護教員にインタビューを行った(約29名)。そのインタビュー内容を臨床経験に関するエピソードに視点をおいて分析した。看護教員の臨床経験は母性・小児・成人などを網羅するものであった。一人の看護教員が、複数のエピソードを語っており、これまでの臨床経験のなかで印象に残ったこととして、思いがけないことや看護ケアの必要性に関わっていた。看護教員が語る臨床経験は、学生に経験を通して伝えたいこととして自己の看護観を反映しており、また、教科書の内容をより具現化しているものと思われた。これらの結果から、臨床経験を語る目的を授業のなかで明確にしていくことが必要性であるとともに、それによって臨床経験の教材化が可能になると考えられた。
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