研究課題
基盤研究(C)
1)全国看護系大学における看護教員に対し、臨床経験を授業中に語ることについてアンケート調査を行った。回収率は47%(386名)であり、教員の年齢は30〜40才代が64%(250名)と最も多かった。臨床経験を語ることは96%(372名)が重要であるとし、91%(353名)が学習の動機付けに役立つ、84%(328名)が看護への意欲を高める、96%(374名)が臨床の場をイメージできると回答していた。教員は授業中に臨床経験を語る重要性を高く意識し、また学習の動機付けになることを理解していた。2)アンケート調査結果の自由記述に記載された内容(261名)を対象に臨床経験を語ることについて分析した。全文字数36663字数、平均:140.13字であり、臨床経験と経験年数が多い教員ほど記載字数が多い傾向にあった。また、記述内容は、「学習への影響」、「語る理由・目的」、「語る内容」、「学習への影響」、「学生の反応」、「語るための技術・留意点」、「語ることの弊害・限界」、「学生の状況・特徴」、「臨床と教育の連繋」、「教員の学び」、「教員側の準備」、「時間不足」の12項目に大別された。3)アンケート調査結果により、直接インタビューに了承を得られた全国の看護教員にインタビューを行った(約34名)。そのインタビュー内容を臨床経験に関するエピソードに視点をおいて分析した。看護教員の臨床経験は母性・小児・成人などを網羅していた。一人の看護教員が、複数のエピソードを語り、その内容は思いがけないことや看護ケアの必要性にであった。看護教員が語る臨床経験は、自己の看護観を反映し、また、教科書の内容をより具現化しているものと思われた。これらの結果から、臨床経験の教材化が可能性が考えられた。
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