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2006 年度 実績報告書

点滴漏れ時の罨法の確かな効果とエビデンスに関する実践・実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17592212
研究機関岩手県立大学

研究代表者

武田 利明  岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40305248)

研究分担者 平野 昭彦  岩手県立大学, 看護学部, 助教授 (30305255)
井上 都之  岩手県立大学, 看護学部, 講師 (00281254)
石田 陽子  岩手県立大学, 看護学部, 助手 (60322335)
小山 奈都子  岩手県立大学, 看護学部, 助手 (40347191)
小島 義和  東海大学, 健康科学部, 助教授 (60215259)
キーワードセルシン / アレビアチン / 血管外漏出 / 罨法 / 看護学 / 病理学 / 薬理学 / 実験動物
研究概要

【目的】血管外に漏出した薬剤がどこへ吸収され,罨法がその吸収速度にどの程度関与しているかを詳細に調べた研究は少ない.したがって今回は,罨法が漏出薬剤の吸収に与える影響について検討することを目的に,基礎的実験を行った.
【方法】血管外漏出時ラット皮膚組織に炎症反応を引き起こすことが明らかとなっている薬剤として,ジアゼパム注射液5mg(セルシン【○!R】,武田薬品工業)およびフェニトインナトリウム注射液250mg(アレビアチン【○!R】,大日本住友製薬)を使用した.実験には,Wistar系雄性ラットを36匹用いた.薬剤の漏出は,1匹につき背部皮下へ2箇所,両側の内側伏在静脈周囲に1箇所ずつ,計4箇所に行った.背部皮膚は,つまみ上げ23ゲージの注射針を皮下組織に刺入し,薬剤を0.3mlずつ漏出させた。内側伏在静脈周囲への漏出は,一度血管内に注射針を刺入してから先端をずらし0.2mlずつ漏出させた.薬剤漏出後皮膚温を40〜42度に保ったものを温罨法,17〜20度に保ったものを冷罨法とした.罨法は,ディスポーザブル手袋(検査用手袋センシタッチ・ノーパウダー,東レ・メディカル)に温湯もしくは冷水と氷片を入れたものを使用し,薬剤漏出直後より30分間継続して行った.
【結果】セルシン【○!R】漏出1時間後のジアゼパムの血中濃度平均値は,対照群が514ng/ml,冷罨法群が696ng/ml,温罨法群が558ng/mlであり,対照群と温罨法群の値は,類似していた.漏出2時間後の血中濃度平均値は,対照群が522ng/ml,冷罨法群が732ng/ml,温罨法群が655ng/mlであり,漏出1時間後と同様,対照群と温罨法群の値は,類似していた.
アレビアチン【○!R】漏出1時間後のフェニトインナトリウムの血中濃度平均値は,対照群が9.7ng/ml,冷罨法群が6.4ng/ml,温罨法群が9.3ng/mlであり,対照群と温罨法群の値は類似していた.漏出2時間後の血中濃度平均値は,対照群で13.7ng/ml,冷罨法群で9.1ng/ml,温罨法群で13.0ng/mlであり,漏出1時間後同様,対照群と温罨法群の値は類似していた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文]2007

    • 著者名/発表者名
      小山奈都子, 石田陽子, 武田利明
    • 雑誌名

      岩手県立大学看護学部紀要 9巻

      ページ: 87-91

  • [雑誌論文] "点滴漏れ"とその対処2007

    • 著者名/発表者名
      武田利明
    • 雑誌名

      看護実践の科学 32巻4号

      ページ: 27-33

  • [雑誌論文] 薬剤漏出による組織傷害の軽減(局所罨法)2007

    • 著者名/発表者名
      武田利明
    • 雑誌名

      Nursing Today 22巻2号

      ページ: 26

  • [図書] 菱沼典子、小松浩子編 : 看護実践の根拠を問う、第16章薬剤の血管外漏出のケア;罨法の有効性について2007

    • 著者名/発表者名
      武田利明
    • 総ページ数
      253
    • 出版者
      南江堂

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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