研究概要 |
1.看護者の腰痛予防のための「ボディメカニクス活用の自己学習」システムの試作と評価 平成17年度は,自己の看護動作を客観的に評価するとともに腰痛予防のためのボディメカニクス活用という観点から自己学習可能な「ボディメカニクス活用動作の自己チェックシステム」を試作し,看護学生を被験者としてシステム評価実験および調査を行った.その結果,今回試作したシステムを用いて得られたデータは,現在の看護現場で職業性腰痛の要因となっている看護動作をシステム画面上に明確に表示したといえ,看護動作時にそのボディメカニクス活用状況をリアルタイムに人間の動きとして表示するだけでなく,再生して何度も自己の動作を確認することが可能であり,システムの有効性が確認されるとともに学習教材としても有効と考えられた. また,再生した表示画面を用いての模擬授業の結果,「ボディメカニクス活用の理解度」および「システムを用いて自己の動作を評価し学習したいか」の設問に対して高得点が得られ,学習効果があることを確認できたとともに,実際にシステムを装着することでその効果がより高められることが示唆された. 2.筋電図実測などの実験を組み入れた看護学生への「ボディメカニクス」教育の試み 「ボディメカニクス」教育の新たな試みのひとつとして,看護学生を対象に,よりリアルに「ボディメカニクス」活用の意義と実際を体感し理解を深めることを意図して筋電図実測などの実験を組み入れた基礎看護技術演習を試み,その教育効果の有無を検討した.その結果,「ボディメカニクス」活用についての理解度が高得点の者は90.4%であり,筋電図実測などの実験を組み入れて「ボディメカニクス」の理解を試みた学習方法に「興味がもてた」者が80.5%,このような実験を取りいれた授業に「賛同できる」者は83.9%という結果が得られその効果が確認できたとともに,ボディメカニクス学習システム開発の必要性を再確認した.
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