研究概要 |
1.ボディメカニクス学習支援のための「自己動作チェックシステム」の改良とその評価 昨年度は,看護者の腰痛予防のためのボディメカニクス学習支援を目的として,自己の看護動作を客観的にチェック可能なシステムを試作し,その有効性を確認した。しかし同時に,システム表示・評価機能の改良および汎用性・操作の簡便性等の検討課題が浮き彫りとされ,平成18年度はシステム改良に重点を置き研究を進めた。 まず,システム表示・機能の改良においては,チェック項目を腰部負担への影響の大きい看護動作時の前傾姿勢および膝屈曲角度のみとし,力学的に腰部負担が大きい前傾姿勢角度となると表示メータがリアルタイムに赤色または黄色に変化するなど,わかりやすく自己評価できるよう改良を加えた。また,動作時の映像も同時再生できる環境に整え,学習者がより客観的に自己の看護動作をボディメカニクスの観点からチェックすることを可能とした。 次に,システムの汎用性・操作の簡便性については,衣服の上から簡便に装着できるよう工夫を重ねた。姿勢センサを直接皮膚に装着するのではなく上半身は身体にフィット可能なベスト型センサ,下半身はサンダル型センサを作成することにより、看護学生26名を対象とした評価実験においても装着に対する抵抗感は軽減できたとの感想を得ることができた。しかし,システム自己装着および自己操作への不安感を挙げている者も多く,次年度は学習者自身が簡便に装着し操作できるよう整備し,システムの完成に近づけたい。 2.看護動作におけるボディメカニクス活用状況の評価および自立支援への試み 看護動作の中でも腰部負担が大きい車椅子移乗動作に焦点をあて,筋電図・三次元動作解析などの分析を行いボディメカニクス活用と腰部負担との関連を中心に検証を行った。また,看護者および介護者の腰痛予防にも寄与する自立支援機器の改良を行うとともに,その評価実験を実施した。
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