研究課題/領域番号 |
17592229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎看護学
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研究機関 | 久留米大学 (2007) 九州看護福祉大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
立石 和子 久留米大学, 医学部・看護学科, 講師 (80325472)
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研究分担者 |
吉本 圭一 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 准教授 (30249924)
谷岸 悦子 日本赤十字九州国際大学, 看護部, 准教授 (30248968)
前田 由紀子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 助教 (10412769)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 看護学 / 高等教育 / キャリア形成 / コンピテンシー / 継続教育 |
研究概要 |
本研究は、看護系大学において得た知識を就職初期段階でどのように活用し、能力・知識・技術をどのように形成しているかについて、大学在学時からの経時的な変化を追いながら、初期キャリアの形成過程を解明することを目的としたものである。また、そうした作業を通じて、初期キャリア形成過程をコンピテンシー形成の観点から明らかにすると同時に、急激な大学化の流れという教育的特質と関連づけ検討することで、職業教育としての看護系大学教育における具体的な提言等を模索するものであった。 研究内容は、(1)総合病院の看護師に対するアンケート調査、(2)大学在学生のアンケート調査、(3)インタビュー調査(大学卒業看護師、看護師の採用担当者である看護部関係者)を受け、大学卒業看護師に求められているコンピテンシーについて焦点を絞った。具体的には、(1)では、総合病院勤務者と専門化した施設でのコンピテンシー獲得能力とキャリア形成過程の関係性を検討した。(2)では、大卒看護師の看護基礎教育において獲得能力について検討した。(3)では、大卒看護師の看護基礎教育に求めている能力について、3つの施設の人事担当者に対してヒアリング調査を行い、大学教育で獲得する能力、採用時に要求される能力、就職後に育成される能力について、コンピテンシー概念からの関連性を検討した。 本研究の結果、看護基礎教育にて獲得された能力は、就職直後には活用されることは比較的に少ないが、職業人として実際の経験・学習を重ねることで、徐々に能力(コンピテンシー)が高くなっていることが明らかとなった。 今回の研究が示唆することは、いまだ現在の状況では、看護系大学において施行されている教育は、あまり即時性のある職能形成とはいえないにしても、その後の職業人としての長期的な総合能力の向上を明らかに期待しうる点において、また今後もさらに高度化専門化することが期待される看護師職能の形成においても、看護師教育の高等化は必須の事項であるという事実と捉える。
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