研究概要 |
平成17年度は目的1生涯を通じた女性の健康と浮腫との関係の実態調査を行うこととしていた。 1.ライフサイクルの周産期にある女性(妊娠期女性と産褥期にある女性)の浮腫出現の仕方と他要因との関係性について研究デザインし調査を行った。妊婦の外来カルテより、身長、体重、年齢、健診毎に測定される体重、体脂肪率、筋肉量、体水分量、BMI,可視的浮腫の観察によるデータ、および妊娠歴、既往歴、妊娠中の活動量などカルテで収集できる範囲内で収集しデータベースを完成させた。分析は体重増加と体水分量の関係性、妊娠中の活動量、体水分量と可視観察による浮腫との関係性を分析する予定である。 2.産褥期女性の入院期間中の下肢浮腫の有無と体水分量との関係について調査するための計画を立案した。産褥期は妊娠期から循環血液量の急激な変化、そして乳房からの乳汁分泌の活発化など体内の水分が劇的に変化していく1週間である。さらにこの時期は分娩疲労とともに育児の開始による疲労感が絶頂に達する時期でもあることから、この時期の女性たちは下肢に浮腫みをもっている人が多いとの主観的データが臨床にあることから、これを体内水分量の測定によって追跡しようと考えている。 3.成熟期にある女性の月経1周期間における体内水分量の変化について調査を行う。月経周期の関係を知るため電子体温計で毎日基礎体温を測定し、朝、夕時間を決めて体重測定、体内水分量の測定を行った。この時点では、下肢浮腫等に関するケアは積極的に行わないように指導した。この対象者は雪だるま方式で収集しているが、3名の30-40代の女性3名が現在測定中である。既存のデータでも明らかなように、排卵性の月経周期を有している女性は黄体期に体内水分量、体重が増加している。そして月経期終了後体内水分量が減る時期があり、そのとき体重が減ることが明らかになった。朝、夕の体重、体内水分量、下肢の周囲差についてもデータを集めているが、体型、運動量によって異なるようである。まだ、対象数が少ないため、もう少し対象を増やす予定である。
|