平成18年度は平成17年度に実施した調査において、データ収集できなかった部分と、新たにこの研究課題の目的としてあげていた部分のリンパ廓清を伴う手術を受けた女性のリンパ浮腫に対する知識、予防ケアの知識及び能力を判定する研究を行った。 1.成熟期にある女性3名の月経周期における体内水分量の変化について、記述的に記録しその結果をまとめた。調査項目は毎日の基礎体温測定、朝、夕の体重測定、および体内水分率測定、そして5点法で下肢の周囲測定を行った。対象者が少ないため、ローデータでしかないが、3人の4週間分の傾向を見ると、夕方体重で0.5-1.Okgの増加、体水分率はこれも0.5%〜1%の増加が見られた。また下肢測定では、足首、ふくらはぎで増加の変化が見られ、膝上10cm、膝上20cmでは変化は見られなかった。この対象は30-40代で、日常の運動量が少なく、またBMIでは24-25の対象であったことから、今後この要因との関係を見ていく必要がある。 2.18年度後半期は、子宮がん等でリンパ節廓清を行った患者に対し、リンパ浮腫についての知識及びセルフケア能力について研究を行った。 研究者が子宮がん等の患者会とコンタクトを取り、患者会の方々へのリンパ浮腫に対する勉強会を講師を招き行った。患者さんは既にリンパ浮腫に罹っているもの、あるいはそうでないものもいた。その中で、リンパ浮腫に対する関心度は高く、まだ罹っていないものは非常に予防的な側面に興味を抱いていた。 リンパ性浮腫に関する知識とリンパ浮腫に対するセルフケア能力についての質問紙を作成した。質問紙の内容は、現状のリンパ浮腫に対する知識、リンパ浮腫の関連因子、予防行動、治療行動と関連のある、自己効力感、自尊感情、ケア能力である。現在患者会の協力を得て調査中であり、19年度分析に入る予定である。
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