研究概要 |
平成19年度は本研究のまとめの年度に当たるため、研究目的が達成できるように,計画に修正を加えながら進めていった.目的1:生涯を通じた女性の健康と浮腫について,生理学的データを求めて明らかにする.目的2:女性生殖器(子宮,卵巣)のがんに罹患し,リンパ節廓清を伴う手術を行った女性のリンパ浮腫に関するセルフケア能力について明らかにする.目的3:リンパ浮腫のケアの評価を行ことであった. 結果:目的1に関しては,今回成人女性5名について,生理学的指標を用いて、浮腫と関連のある因子との関係について調査を行った。測定は下肢の周囲,下肢のポンプ作用,対象者の基礎データであった.下肢のポンプ機能は夕方になると朝方よりも機能が低下するという仮説は検証されなかった。また、筋ポンプ機能とBMI,体脂肪率,水分率,筋肉率との関係の関連いついては,体脂肪率,BMIとは負の相関が有意差p<.001であり,一方筋肉率とは正の相関が有意差p<.001であった。目的2に関しては、子宮がん手術後の患者会の方々を対象にアンケート調査およびインタビューを行った.その結果35名回収率70%であった。リンパ浮腫について手術前,手術後に十分な説明をきいていないことが分かった.然し、雑誌等でリンパ浮腫について知ってはいたが、どのように予防すべきかを理解している人はほとんどいなかったため、実行もできていなかった.現在の満足感についても聞いてみたが、人間関係においては満足感が高かったが、やはり健康において満足度は低いものであった. 目的3においては,リンパ浮腫予防のセルフケアを実践させていくためには、医療者側のの指導者としての認識が高いことが必要であるが、その意識を高めるための教育に研究会を立ち上げに着手した。
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