調査に先立ち、4施設の倫理委員会の審査・承認を得た(2005年7月〜2006年2月) 1.質問紙調査(2005年11月〜実施中) 大学病院血液内科で治療をうけ、過去半年-2年半前に死亡した白血病/悪性リンパ腫患者の遺族(主介護者)を対象とした。遺族5名への予備調査により内容妥当性、実施可能性を検討したのち調査を実施した。施設担当者が調査可能であると判断した対象に質問紙を送付した。調査項目は、Care Evaluation Scale 28(ホスピス・緩和ケア病棟ケアに対する評価尺度)、ケア満足度、遺族ケアニーズ、CES-D(抑うつ)、対象者背景などとした。 4施設の倫理委員会から実施許可を得、2施設で調査を終了した(回収率51.5%)。Care Evaluation Scale 28得点は、全国の緩和ケア病棟で行われた先行研究に比べ、全ドメインで(ケア評価が)低い傾向がみられる。今後、残り2施設の調査結果とあわせ、分析を進めていく。 2.診療記録調査(2005年11月〜実施中) 大学病院血液内科で治療をうけ、過去半年-2年半前に死亡した白血病/悪性リンパ腫患者を対象とした。質問紙調査の除外基準に遺族が該当したもの、調査依頼書類が不達のものは除外した。予備調査により評価者間信頼性、実施可能性を検討した診療記録調査票と診療記録閲覧マニュアルを用い、調査を実施した。調査は、造血器悪性腫瘍患者のケア経験を有する看護師複数名により行い、分類などの不明点を話し合える体制をとった。また、診療記録情報の記載内容の不明点など、調査担当者だけでは判断しかねる場合、施設担当者と検討した。調査項目は、死亡前1ヵ月間の治療方針、治療内容、症状、日常生活動作の変化と、DNR/CPRについての同意の有無、死亡場所、最終入院期間中の外泊の有無などとした。3施設で並行して調査を継続している。残る1施設は、対象者確定次第開始する。
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