研究課題/領域番号 |
17592239
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
加藤 真由美 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (20293350)
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研究分担者 |
泉 キヨ子 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (20115207)
平松 知子 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (70228815)
浅川 康吉 群馬大学, 医学部, 准教授 (60231875)
正源寺 美穂 金沢大学, 医学系研究科, 助教 (80345636)
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キーワード | 施設高齢者 / 転倒予防プログラム / 転倒リスク / エビデンス / アクションリサーチ / フォーカス・グループ・インタビュー |
研究概要 |
本研究は,施設高齢者の転倒リスクに応じたエビデンスに基づく転倒予防プログラムを開発することであり、今年度の目的は、作成した転倒予防プログラムについて運用状況および効果を検証することであった。本研究は新潟大学医学部倫理審査委員会から承認を得て行った。プログラムは、(1)転倒予防に関する職員教育、(2)フォーカス・グループ・インタビュー(FGI)を用いた手法による、その施設での課題の明確化と解決策の立案、(3)転倒予測アセスメントツールによる個の転倒リスクの見極めとエビデンスや理論を活用した個への介入計画の立案・実施、(4)転倒予防チームによるスタッフへのコンサルテーションサービス、(5)転倒発生時は根本原因分析法により介入計画を修正・評価する、から成った。運用はアクションリサーチにおけるミューチュアル・アプローチを用いて進めた。施設の「願い」として、"患者の拘束によるストレスを減らして転倒を予防する"が挙がった。FGIの質的分析から、【意識の違いから看護職と介護職間に情報共有と連携に不足がある】【他職種との情報共有・連携が不足している】【勤務交代後の情報が全員に伝わっていない】【介護職がもっている個の転倒につながる行動や環境に関する情報が活かされていない】などの施設課題が明らかとなった。情報交換が効果的に行われる対策として、ヒヤリ・ハット報告書は個人のリスクを含め、かつ情報や意識の共有のためかかわる職種および管理者から予防方法が提言できる内容に改訂した。また、転倒予防センサーの対象や種類の選択が分からないというスタッフからの相談に対しては、転倒予防センサーフローチャートを開発した。在院日数対1,000日による転倒率(回数)は、介入6ケ月前から介入期間6ケ月間の2病棟において、それぞれ11.2回から11.8回、1.4回から2.4回であり、拘束を減少させた状態において転倒率を増加させることなく予防でき、プログラム効果を確認できた。
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