研究課題/領域番号 |
17592245
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
一村 光子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 准教授 (40203111)
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研究分担者 |
川田 智恵子 愛知県立看護大学, 看護学部, 教授 (60010013)
四方 賢一 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00243452)
中尾 美幸 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (00316126)
中西 代志子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (50217783)
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キーワード | 糖尿病性腎症 / 患者教育 / 教育プロギラム |
研究概要 |
糖尿病外来に通院中の患者を対象に、糖尿病についての対処行動、病気の複雑さや将来への不安などの不確かさ、身体症状、腎臓の状態の認識、腎症の知識、食事の自己管理行動についてアンケート調査を行った。パス解析を用いて分析した結果、食事管理行動に直接影響を与えていたのは、対処行動と不確かさであった。この結果をもとに、腎症2〜4期の糖尿病患者への外来でのかかわりを振り返り、教育プログラムを作成した。2期にあるYさんは、診察室で微量アルブミン尿が出ていることを主治医から説明された。診察後、Sさんは、「何か出ていると言われた」とあわてて看護師に相談にきた。そこで、微量アルブミン尿が出る状態の説明、糖尿病腎症の説明、血糖コントロールを良くすれば腎機能は回復することを説明した。「よくなるなら頑張る」という言葉が聞かれたので、血糖コントロールを良くするための具体策について話し合った。それまで数年間HbAlcが8.0%以上であったSさんは、間食を中止し、HbAlcは7%台に改善した。腎不全期にあったSさんは、タンパク制限と塩分制限の必要性はわかっていても行動が伴わず、血清クレアチニン値は上昇を続けていた。原因は「この先どうなるのか」という予後への不安、家族から孤立しているような感じを受けていたことであった。家族に病状を説明し、本人が努力していることを説明を行ったことにより、家族がより助け合う力が働くようになった。以上の経験から、2期にある患者は、自覚症状がないため自分が腎症であるという認識が薄いが、微量アルブミン尿の結果を用いて、腎臓の状態、回復するための方法について説明すること、タンパク制限が導入された患者には、従来の栄養指導に加えて、タンパク制限食の必要性、効果の説明、家族に患者を温かくサポートしてもらうことを加えたプログラムを作成した。
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