研究課題/領域番号 |
17592250
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
中村 慶子 愛媛大学, 医学部, 教授 (40263925)
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研究分担者 |
薬師神 裕子 愛媛大学, 医学部, 講師 (10335903)
横田 真紀 愛媛大学, 医学部, 助手 (40363238)
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キーワード | 小児 / 1型糖尿病 / 小児慢性疾患 / 患者教育・支援 / 自己管理 / チームアプローチ / ライフコース / ヤングDMカンファレンス |
研究概要 |
慢性疾患を持ちながら生活する小児とその家族を対象に、チームアプローチによる自己管理を支援するための方法論を示し、疾患や病期、病状、発達段階に特徴的な支援モデルについて実践の中で継続的な検討を加えることを目的に研究を展開した。研究経過からは、小児期の発達段階に注目した支援モデルに限定するのではなく、患者のライフコースや家族との関係性の変化、社会の変化に対応できる包括的な支援システムやプログラム開発の必要性を確認した。 1.小児糖尿病専門教育者育成に関するプログラム、システム構築のための基礎的な調査と準備 ・ヤングDMカンファレンス(平成17年10月開催)参加者約100人を対象に、自分自身の受けた療養指導や生活環境、心理面に関する実態調査を実施し、QOLが罹病期間と関連することが示唆された。 2.1型糖尿病患者とその家族を対象に、生活環境やライフイベントに対応した支援評価の実施 ・糖尿病サマーキャンプでの指導方法に関する研究成果を報告し、さらに支援事例における評価を継続中である。特に、1型糖尿病を持つ子どもの親の思いについて質的研究を実施し、親の思いには「葛藤と前進」という概念が存在し、その構造と影響要因を抽出することで家族支援の方向性が示唆された。その成果は、Parent's Perspectives of Managing Their Children's Type1 Diabetesとして、第7回国際家族看護学会(カナダ)で報告した。 3.その他 ・ファミリーハウスにおける、慢性疾患患児やその家族への支援活動に参加し、相談活動の実態を把握するとともに、家族との交流を進めナラティブスタディに発展できるための活動を展開している。 ・施設入所中の思春期の女子事例を対象に6ヶ月間に及ぶ生活拡大への支援を継続し、車椅子ダンスや交通機関を使っての帰省などへの支援を実施した。その結果、積極的行動への変化を確認できたが、子どもの力を引き出す支援のためには、厳しさを持った調整も必要であることを確認した。
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