研究課題/領域番号 |
17592252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
上田 公代 熊本大学, 医学部, 教授 (20145345)
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研究分担者 |
上田 厚 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (10040198)
尾道 三一 熊本大学, 医学部, 教授 (70112406)
原田 幸一 熊本大学, 医学部, 教授 (00094029)
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キーワード | 低出生体重児 / 妊娠週数 / 出生体重 / 成熟体重児 / 胎児発育 / 妊婦のライフスタイル / 地域特性 / ソーシャルサポート |
研究概要 |
1.研究目的:低出生体重児発生の動向を地域特性と産科的特性の両面から解析し、それに基づいて、今日の低出生体重児発生の増加に関与する母親のライフスタイルと地域関連因の構造を明らかにし、効果的な母子保健対策を提起する手がかりを得る。 2.平成17年度の研究は計画に従って、量的調査と一部の質的調査を実施した。 量的調査は1)調査票を1500枚配布し、729枚(回収率48.6%)を回収した。その内、有効回答数の低出生体重児群309名(61.8%)、成熟体重児(対照)群410名(41.0%)を解析の対象とした。質的調査は低出生体重児を持つ、産後3-4ヵ月後の母親(10名)にフォーカスグループインタビューを1回実施した。 3.結果概要 1)低出生体重児群は「妊娠経過-順調」が「妊娠経過-不調」に比べ出生体重が有意に重かった(p<0.05)が、対照群では関連がなかった。2)母親の日常出来事のストレスは、低出生体重児群と対照群との間に差がみられなかった。3)母親の妊娠不安とストレスでは、低出生体重児群は対照群よりストレスが高く、胎児の健康に関する不安が高かった。4)母親の生活習慣は低出生体重児群に「不良」が24%であり、対照児群の15%より高かった(p=0.01)。5)低出生体重児群は仕事(家事・育児・介護)のサポートを受ける割合が対照児群より有意に高かった(p<0.05)。地域、家族、友人等のサポートと病院、保健所、保健センターのサポートは両群に差はみられなかった。6)全体的な生活満足度と職場満足度は低出生体重群が対照群より有意に高く(p<0.05)、農村的環境にそれらの傾向がみられた。 質的研究では、低出生体重児の母親から、日常出来事のストレスは少なく、妊娠中の不安は子どもの健康であり、家庭および職場のサポートはえられていた。出産後の現在の関心事は母乳保育のサポートと生活場所に近い所での医療サポートであった。 今後、さらに分析を深め低出生体重児発生の要因の解明と低出生体重児の支援内容を分析する。
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