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2005 年度 実績報告書

新生児看護の倫理:重症障害新生児の最善の利益を守るケアの構築

研究課題

研究課題/領域番号 17592255
研究種目

基盤研究(C)

研究機関新潟県立看護大学

研究代表者

井上 みゆき  新潟県立看護大学, 看護学部, 講師 (80347351)

キーワード看護学 / 重症障害新生児 / 倫理学 / 子どもの最善の利益 / 新生児学
研究概要

本研究の本年度の目的は、NICUの看護者が経験した重症障害新生児の事例から、その新生児の最善の利益を守るケアを明らかにすることである。ここでいう重症障害新生児とは、親もしくは医療者により治療の停止および制限の提案のあった新生児である。
本年度の研究参加者は、先行研究「新生児看護の倫理:重症障害新生児の最善の利益とは何か」に参加してくれたNICUの看護師21名の再調査と重症障害児施設に勤務する看護師12名である。データの分析は、質的帰納的方法で行った。
その結果、看護師が語った事例は、「適切な医療をすれば生存できる障害をもつ子どもの事例」や「余命が短い染色体や先天性異常をもつ子どもの事例」の2つに分別できた。看護師は、いずれの事例においても子どもの命の長短や障害の程度に関係なく、<親がその子どもが存在する意味>を見出すケアが重要であるとしていた。具体的には、障害を持って子どもが生きることに対する価値観はその親が生きてきた過程に影響されており、親の価値観を十分に聴き、感情を表出することが重要であるとしていた。看護師は、出産直後に親が障害を理由に子どもの治療を拒否し、子どもの死を望んでいても、人間の気持ちには変化があり、いずれ親が障害をもった子どもが存在する意味を見出すことを期待していた。そのためには、ある程度の時間が必要であるとしていた。時間の余裕を持つためには、緊急に治療や手術を行わなければ、死に至るような子どもの疾患の場合には、法的な手段として一時期に親から「親権」を移す手段も必要であるとしていた。
来年度は、「医療ネグレクト」の事例に関わった弁護士からの聴き取り調査を行い、法的介入の手順、手続きを明らかにする。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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