研究課題/領域番号 |
17592258
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
清水 嘉子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (80295550)
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研究分担者 |
遠藤 俊子 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部臨床看護学講座, 教授 (00232992)
落合 富美江 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (20295554)
関水 しのぶ 東北女子大学, 家政学部家政学科, 講師 (40350392)
藤原 聡子 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (30405120)
松原 美和 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (40405121)
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キーワード | 母親 / 育児幸福感 / 尺度 / 支援プログラム / 育児ストレス / 開発 / 育児場面 |
研究概要 |
1 育児幸福感尺度の作成 本研究はLazarusの理論より育児している母親の肯定的な情動を「育児幸福感」とし、育児幸福感を感じる際の場面から、育児幸福感尺度を開発した。予備調査では3歳以下の子どもの母親を対象に育児中に安心、希望、愛情、喜び、感謝、同情、誇りの情動を感じる育児場面について自由記述を求めた。本調査では、予備調査より明らかにされた記述文を14分類64項目に集約し6歳以下の子どもを持つ母親を対象とし、5段階評価法による回答を求めた。有効回答の得られた739名の結果を最尤法によるプロマックス回転による探索的因子分析を行った。育児幸福感の場面は8因子に分類され、41項目となった。8因子は、「子どもの成長」、「希望と生きがい」、「親としての成長」、「子どもに必要とされること」、「夫への感謝の念」、「新たな人間関係」、「子どもからの感謝や癒し」、「出産や育児の意義」の構造が示された(各因子のα係数は.867から.768となった)。また、主観的幸福感尺度(伊藤他,2003)との相関は「夫への感謝の念」を除き弱い相関しか見られず、主観的幸福感と本研究の育児幸福感は、質的に異なる幸福感を測定していると解釈できた。また、母親の育児ストレスと幸福感とは、ごく弱い相関しかみられなかった。しかし、夫婦関係が良好に保たれて、夫のサポートを得られていることが、母親の育児幸福感としての夫に対する感謝の念に影響していることが示唆された。国際学会発表 原著 2 育児幸福感についての母親に対する聞き取り実施 母親の育児幸福感を高めること(子育て期をより幸福に過ごすため)への母親自身の工夫とその影響、さらに育児幸福感を高めることへの困難について明らかにすることである。 A市内在住の乳幼児期の育児をしている母親23人を対象とし、半構成的面接内容に基づいて面接を行ない、データを収集した。分析は面接の内容を逐語録に起こし、質的帰納的研究方法により分析を行った。育児幸福感を高めることへの母親の工夫では、"無理をしない範囲での生活の工夫"、"他者からの育児体験のレスポンスと安心"、"時間のコントロールから得る心のゆとり"、"大変なことを乗り越えた自己評価"、"ストレスが報われる実感"、"同居者への依存と感謝"、"子どもとの時間、空間、気持ちの一体感"があった。育児幸福感を高めることへの困難では"複合化したストレスからくる疲れとイライラ(ストレス)"、"あれもこれもと思う自分の性分"、"人に任せられない自分がやるという気負い"があった。育児幸福感の母親自身や育児への影響では"癒される"、"思いやりの心"、"育児の原動力"がもたらされていた。原著投稿中 これらをもとに、最終年度としては、育児幸福感を高めるプログラムを作成し、教室を開催し、評価する予定である。
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