本年度の研究目的は、慢性閉塞性肺疾患患者へ療養支援プログラムを用いて介入を図り、その効果を検討することであった。 1.療養支援プログラム介入 1)介入事前調査 慢性閉塞性肺疾患患者をアセスメントするためのツールとしてのLung Information Needs Questionnaireを用いて22名の対象に調査を実施したところ、「栄養」、「自己管理」、「病気の理解」、「運動」が情報が介入プログラムに含まれる必要があることが示唆された(日本看護科学学会発表)。 2)介入の実際 20人中12人(60%)の対象を、介入群6名、コントロール群6名とし、介入前および介入後3ヶ月後に質問紙調査を実施した。3人ずつのスモールグループへの介入として「呼吸教室」を毎週1回で「病気の理解」、「自己管理」、「栄養」、「運動」のテーマで計4回実施した。1回の開催時間は約1時間程度であった。 3)フォローアップ 集団でのプログラム実施時に患者同士の交流会を含めることを前提とし、フォローアップ教室の実施を月1回、計4回実施した。 2.療養支援プログラムの意義、重要性 研究の結果、質問紙調査では、対象人数であったことからも介入群とコントロール群との違いを見出すことはできなかった。しかし、療養支援プログラムにおける小集団での介入の取り組みおよび月1回のフォローアップ教室の組み合わせは、慢性閉塞性肺疾患患者にとって、情報としてなかった知識および疑問点を明らかにすることに役立った。 また、今回介入した対象者は、各自が目分なりの取り組みへと発展していっていることからも、甲等症の早期から療養支援プログラムを展開していくことは必要と考えられた。
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