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2005 年度 実績報告書

パーキンソン病患者が肯定的自己概念を維持するための援助プログラムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 17592270
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北海道医療大学

研究代表者

佐々木 栄子  北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (50364261)

研究分担者 野川 道子  北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (00265092)
大西 奈穂  北海道医療大学, 看護福祉学部, 助手 (00405672)
キーワードパーキンソン病 / 神経難病 / 自己概念 / 援助プログラム / QOL
研究概要

パーキンソン病(PD)患者の援助プログラムの構築を目指しその内容を検討するため、自己概念の様相とその影響要因を明らかにすることを目的にグループインタビュー(オープングループ,1グループ4〜7名,計5グループ)を行った。インタビュー内容を質的に分析した結果、以下のことが明らかになった.
1.自己概念の様相
(1)肯定的自己概念
(1)生き続けることができる自己(PDは死ぬ病ではないという説明を受け、PDと共に生き続けることができる。自分自身を奮い立たせることでPDと共に生きる力を生み出す)(2)自分の存在を確認している自己(家族の中での自分の立場を確認し役割を果たすために努力している)(3)心が豊かになっている自己(他者を思いやり、他者を信頼できることに気づく。自分と同じ病と闘いながらも、懸命に生きている仲間の存在を確認し力を与えられている)(4)今の自分を認めようとしている自己(できる時に、できることをすればよいと自分に言い聞かせている)(5)幻覚と付き合っている自己(薬物療法の副作用である幻覚の体験を冷静に分析し自分に危害を及ぼさないことを確認している。幻覚と戦ったり、仲良くしたり、見えるものはしかたがないとあるとあきらめたり付き合い方を身につけている)
(2)否定的自己概念
(1)病に揺さぶられている自己(日内変動や薬の効果に心身のありようが翻弄されている。日常生活行動の困難さとの付き合い方を模索している)(2)不審に思われる自己(4大症状が周囲に不審な印象を与えていることを感じている)(3)縮んで小さくなる自己(不審に思われることを避けるために他者との接触を避け交流が縮小していく。運動機能が低下していくために役割や能力、行動が縮小していく)(4)病と共に生きる不確実な自己(身体が思うように動かず予定を立ててもうまくいかない。病状の進行に伴い自分の身体がどのようになるのかわからない。)(5)家族の理解と協力がなければ生きられない自己(同居家族が病に理解を示さない自己の縮小につながる。家族が危機的状況になったときの生活に強い不安を感じる)
2.影響を与える要因
以上の自己概念の様相の影響要因として(1)PDである自己の受けとめ方(2)家族を含む他者の理解と協力(3)同じ病をもつ仲間の存在と交流(4)薬の効果と副作用(5)症状との付き合い方と生活の工夫(6)PDについての正確な情報と理解が明らかになった。
今後,これらの結果をもとに具体的な援助プログラム内容を検討し、その効果の確認を目標とする。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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