研究概要 |
本研究は1)産後1年間の初産婦の母親の経時的な対児愛着の変化、2)対児愛着と母親の背景・特性及び育児ストレス状態やストレス対処能力との関連を明らかにする目的で,F市産科クリニックで出産する母親を対象として倫理的配慮を元に対面及び郵送調査を行った。平成17年2月〜18年1月の期間中,対象者総数1733名,回答数1578名(91.1%)。内訳は,妊婦(32〜40週)253名,退院時584名,産後1か月532名,産後3か月147名,産後6か月62名,産後1年は調査未。調査期間中の対象となった母親総数591名(実人数)。平均年齢29.8±4.6歳(17歳〜45歳)。初産婦303名(51.3%)経産婦288名(48.7%),帝王切開37名(7.3%)。退院時の背景として、有職者105名(17.8%),核家族381名(73.0%),複合家族46名(8.8%)。対児愛着感情得点は退院時1.9±2.1点(0〜12点),1か月時1.7±2.0点(0〜12点),3か月時1.1±2.0点(0〜14点)。SOC得点は妊婦63.5±10.5点(18〜90点),退院時66.6±11.7点(28〜91点),1か月時71.1±11.0点(17〜91点),3か月時66.9±12.9点(32〜88点)であった。EPDS得点は退院時4.5±3.3点(0〜22点)、9点以上の高得点出現率10.2%,1か月時3.7±3.0点(0〜19点)高得点出現率6.8%,3か月時3.9±2.9点(0〜13点)高得点出現率8.3%。マタニティブルーズ得点は退院時3.8±3.3点(0〜16点),8点以上でマタニティブルーズが疑われる母親11.9%。日常生活でストレスを感じていたのは,妊娠中47.2%,退院時41.8%,1か月時45.7%,3か月時57.8%であった。今後は,本研究課題である初産婦に焦点を当て統計分析を行う。
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