研究分担者 |
杉田 由加里 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助手 (50344974)
湯浅 美千代 順天堂大学, 医療看護学部, 助教授 (70237494)
末永 由理 東京医療保健大学, 医療保健学部, 講師 (10279838)
綿貫 成明 藍野大学, 医療保健学部, 助教授 (20270902)
遠藤 淑美 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50279832)
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研究概要 |
回復期リハビリテーション病棟において,高齢脳卒中患者がエンパワメントされ,QOLが向上することを目指した看護援助を開発することを目的に以下の研究を行った.(1)文献および先進モデル施設の調査から回復期リハビリテーション病棟における高齢脳卒中患者への看護の実態と課題を明らかにした.(2)脳卒中患者の自我発達を促進する看護援助理論をベースに,その臨床適用モデルを開発した.(3)(1),(2)をもとに,回復期リハ病棟看護師を対象とした教育プログラムおよびワークブックを開発した.このワークブックを教材として,2カ所の回復期リハ病棟の看護師を対象に,教育プログラムを導入した. 研究協力者は,A病院14人,B病院23人であった.半年間にわたって,一人あたり計4回の教育プログラムに参加した.その学習効果を協力者へのインタビュー,職務満足調査,病棟のケアの質の評価などの視点から検討した. 結果,教育プログラム終了後のインタビューや記述データより,協力者は患者アセスメントが多様になり,それに伴って援助の焦点化やケアリングが確認された.また仕事に関する自己効力や質の高いケアの実施に関して改善があり,かつ職務に関する自信も向上した.一方,職務満足は変化が無く,低下した群もあった.研究協力者は中堅看護師が多かったため,学習効果によって期待する看護実践のレベルが上昇した反面,看護提供システムの不備などに注目しやすくジレンマも高まった可能性がある.また看護を取り巻く情勢の変化によるヒストリカルイベントの影響も否定できない.回復期リハ病棟において本教育プログラムを導入する際には,導入のタイミングを見極め,看護師に負担の少ない方法を考えることとともに,看護師が学習の結果をすぐに実践に活用できるように準備を整えることが重要であった.
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