研究概要 |
目的 地域保健法以降,保健師の機能は危機管理や情報分析人材育成へと変化した.また,保健師の配属は福祉分野である児童相談所等にも拡大している.市町村では合併により,管理的立場にある保健師の管理能力が重要となっている.本研究は,地域保健および行政システムが変化する時代に対応して,基礎教育から一貫した継続教育システムを構築するために,保健師の専門職務遂行能力に焦点をあて,到達が期待される専門職遂行能力の内容とそのレベルを,発達期別(基礎教育段階,新任期段階,中堅期段階,管理者教育),保健師の所属機関別に,現任教育の担当者と教育対象者の立場から明らかにすることを目的とした. 方法: 1)文献検討 保健師の基礎教育,継続教育,専門能力に関する文献の検討を行った. 2)一次調査の実施 (1)目的:保健師の勤務自治体,職位,所属部署による期待される専門職務遂行能力のうち,主要な能力を抽出することを目的とした. (2)対象:都道府県,政令市・中核市,市町村の保健師約200名. (3)データ収集と分析:調査内容は,一般属性,中堅の保健師の業務水準となる専門職遂行能力の内容とした.専門職務遂行能力の抽出は選択法と自由記載とした.無記名自記式の質問紙を用い,現在,郵送で配布回収中である.数量データは統計処理を行い,自由記載を参考に専門職務遂行能力基準の抽出を行う予定である.
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