研究課題/領域番号 |
17592294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域・老年看護学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
河村 一海 金沢大学, 医学系研究科, 准教授 (50251963)
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研究分担者 |
稲垣 美智子 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (40115209)
多崎 恵子 金沢大学, 医学系研究科, 助教 (70345635)
村角 直子 金沢大学, 医学系研究科, 助教 (30303283)
松井 希代子 金沢大学, 医学系研究科, 助教 (90283118)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 若年発症1型糖尿病患者 / 食行動 / 心理学的特徴 / QOL / 看護介入 |
研究概要 |
【目的】若年発症1型糖尿病患者が食行動に対してどのような思いを抱いて生きてきたのかについて、彼らによって語られた内容を質的手法を用いて分析し、導き出された心理的特徴をもとにした質問紙を作成・使用し、質問紙によって患者が類型化できるかどうかを検証した。【結果】語られた内容から19のテーマ(エピソードを象徴するもの)が抽出された。この19テーマに基づいて対象を質的手法を用いて類型化することを試みたところ、類型化には3つの解が関係していることを見出した。3つの解は、解1が「発達段階と関係する普通ではないことに対する思い」、解2が「糖尿病であることでの不安や欲求が満たされないことの不満」、解3が「食事制限に関する親への依存と自己責任のバランス」と命名できた。次に19テーマをもとに作成したアンケートの得点についての因子分析の結果、3因子が抽出され、第1因子は「糖尿病であることへの不安や不満などのネガティブな感情をあらわす尺度」(尺度1)、第2因子は「家族と関係するところでの食行動に対する感情をあらわす尺度」(尺度2)、第3因子は「糖尿病であるためにやらなければならないことをポジティブに考え、積極的に対処していこうとする感情をあらわす尺度」(尺度3)と命名できた。すなわち患者を類型化するにはこの3つの因子が関係しているのではないかということが示唆された。これらの結果より3つの解と3つの尺度はそれぞれ対応するものが存在していると考えられ、質的手法で行った類型化の方法が適切であったことが量的手法によって検証できたことが示唆された。【研究の意義および重要性】患者の特徴を捉え個々の状況にあわせた介入方法を検討していくことが今後の看護には必要であり、そのための患者の類型化の方法として、この研究で見出した2つの方法すなわち患者とゆっくりかかわる時間がもてる入院患者などの場合には面接法を用いた質的手法での類型化を、また外来患者のように短時間でしか関われない場合にはアンケート方法を用いた介入方法をというように、患者に合わせた類型化の活用が将来的には可能ではないかと考える。
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