研究課題/領域番号 |
17592295
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
平松 知子 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (70228815)
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研究分担者 |
泉 キヨ子 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (20115207)
藤原 勝夫 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (60190089)
正源寺 美穂 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (80345636)
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キーワード | 転倒予防 / フットケア / 高齢者 |
研究概要 |
【目的】17年度は、高齢者の足部の状態を1年間調査し、転倒との関係を検討することを目的とした。【方法】対象は、認知面に障害がなくインフォームドコンセントの成立した通所サービス利用高齢者17名(以下虚弱高齢者)と日常生活の自立した地域高齢者47名(以下健康高齢者)である。足趾と足底の接地状態は足底圧計測システムfootscan(international社)、足部の筋力は足指チェッカー(新企画出版社)を用いて調査開始時と1年後の2回測定した。転倒については調査表を用いた調査を行った。【結果】虚弱高齢者では、転倒経験あり群は8名(47.1%)、なし群は9名(52.9%)であった。足趾圧分布不良の者は、転倒経験あり群では6名(75.0%)、なし群では2名(22.2%)であった(P<0.05)。転倒経験と調査期間中の転倒、足底圧分布、足趾間圧力に関連はなく、また、1年間で有意な変化はみられなかった。健康高齢者では、転倒経験あり群は10名(21.3%)、なし群は37名(78.7%)であった.足趾圧分布不良の者は、転倒経験あり群では4名(40.0%)、なし群では8名(21.6%)であり、1年後では、それぞれ6名(60.0%)と1名(2.7%)に変化していた(p<0.01)。他に、転倒経験と調査期間中の転倒に関連がみられた(p<0.05)。【考察】特に転倒し易いと考えられる虚弱高齢者で、転倒と足趾圧分布に関連がみられたこと、および健康高齢者と比べて足趾圧分布不良の者が多いことから、姿勢の安定性に関与する足趾圧分布を良好に保つ取り組みの必要性が示唆された。健康高齢者では、転倒経験なし群の足趾圧分布が1年後に改善し、調査期間中の転倒者が少なかったことから、健康高齢者においても足趾の機能の重要性が示唆された。また、足趾機能改善理由を明らかにすることも必要と考える。18年度は、静止時の他に歩行や前傾などの条件を追加して、左右1-5趾毎に足趾の機能を調査し、転倒予防に有効なフットケアを明らかにする予定である.
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