研究課題/領域番号 |
17592312
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
中村 裕美子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (10299266)
|
研究分担者 |
上田 裕子 大阪府立大学, 看護学部, 講師 (00405333)
林 園子 大阪府立大学, 看護学部, 助手 (80438241)
水野 智実 大阪府立大学, 看護学部, 助手 (70438240)
尾ノ井 美由紀 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70324788)
牧野 裕子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30290365)
|
キーワード | 看護学 / 継続看護 / 移行支援モデル / 退院調製 / 連携 |
研究概要 |
本研究では、入院から退院、在宅療養に至る過程における退院の決定、退院計画、退院指導、退院後のケア継続の現状と課題を明らかにし、療養者・家族が安心して円滑に在宅療養に移行できるための継続看護支援モデル(以下、支援モデル)の構築を図ることを目的とする。平成18年度は、17年度に実施した近畿県内の訪問看護ステーションにおける移行支援、連携についての調査結果の分析を行った。 <調査結果>調査は、近畿圏のWAMネットに登録されている訪問看護ステーション1065箇所に調査票を郵送して、郵送にて回収した。回収状況は、353施設より回答が得られた(回収率33.1%)。新規利用者調査(調査2)は、317人の回答が得られた。 調査1のステーションの訪問看護の1ヶ月の利用者数は平均52.0(SD35.1)人、新規利用者数は平均1.4人であった。退院前病棟訪問は、96.9%が必要と答え、必要な状況は、医療依存度が高い(83.3%)、家族の不安(72.2%)、本人の不安(67.9%)、病状が不安定(66.7%)の項目が多くなっていた。退院指導に訪問看護師が関わることの必要性は、90.1%が必要と答えていたが、問題として、病院からの要望がない(58.6%)、依頼から退院までの期間が短い(53.4%)、採算が取れない(46.9%)、時間が取れない(42.9%)が挙げられていた。 調査2から新規利用者の年齢は、平均75.1歳、要介護度4と5をあわせて40.0%であった。介護保険利用55.8%、医療保険利用が31.9%。医療処置は70.3%にあり、褥創、膀胱留置カテーテル、疼痛管理、在宅経管栄養、在宅酸素が主な内容であった。退院指導に対する要望は38。8%に見られ、訪問看護師が関わるとよい退院指導は42.9%に見られた。退院指導の実施率は、医療処置が必要な場合で66.5%、常時介護を要する場合で59.3%であった。習熟度は十分が35.3%と低い状況であった。移行支援の連携は、病院からの場合と居宅介護支援事業所からの場合が半数ずつであった。訪問看護ステーションへの連携を医療機関がとってくる場合と居宅介護支援事業所の場合による連携状況を検討した結果、療養者の主疾患の違い、訪問看護師の退院前訪問および合同カンファレンスの実施率が医療機関の場合に高く有意な差が見られた。 <今後の研究課題>調査結果から看護職と介護支援専門員による連携について比較分析を行ない、さらに文献検討より、支援モデルの構築のために、次年度の取組みとして、訪問看護の退院指導への参加による効果ついて調査を行う予定である。
|