研究課題/領域番号 |
17592312
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
中村 裕美子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (10299266)
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研究分担者 |
牧野 裕子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (30290365)
林 園子 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (80438241)
水野 智実 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (70438240)
尾ノ井 美由紀 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70324788)
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キーワード | 看護学 / 継続看護 / 移行支援モデル / 退院調整 / 連携 |
研究概要 |
本研究では、入院から退院、在宅療養に至る過程において、療養者・家族が安心して円滑に在宅療養に移行できるための継続看護支援モデル(以下、支援モデル)の構築を図ることを目的とする。平成19年度は、近畿県内の一般病床200床以上を有ずる病院の地域医療室および退院支援看護師に対する調査を実施した。 調査は、近畿圏の一般病床200床以上を有する病院212施設に調査票を郵送して、郵送にて回収した。回収78施殻(回収率36.8%)。回答者は、男性10人、女性58人、平均年齢は45(±SD2.7)歳。職種は、看護師52人、MSW22人、ケアマネージャー12人など。所属部署は、地域医療室50人、看護管理部15、看護相談室4名などであった。 退院調整が必要な患者の把握は、病棟からの連絡が52人、本人・家族からの相談が42人と多く、合同カンファレンスが24人と少なくなっていた。退院調整の必要性の判断は、看護師が45人、医師が41人、チェックリストが26人、退院調整看護師が18人、連携パスが13人であり、スクリーニングシートなどの標準化はなされていない。退院指導に関わっている職種は、病棟受持ち看護師56人、MSW39人、医師37人、PT・OT37人、栄養士32人、薬剤師27人で、専門看護師・認定看護師は14人であり、専門看護師が少なく、病棟の受持ち看護師が役割を担っていた。また、退院調整に関わっている看護師の勤務時間は、1日平均8.7時間であり、患者や家族への相談・指導は3.8時間、病棟巡回1.1時間、連絡や調整が2.4時間、情報収集0.6時間、事務処理1.2時間、研修0.8時間であった。担当者の人数が少なく、超過勤務になっている状況が示された。1ヶ月の相談件数は、のべ170(±SD216)件、実58(±SD64)件、患者一人当たりの平均相談回数は3回であった。施設により取組の差が大きい状況であった。 病院における退院調整は、MSWが中心であり、退院調整看護師が中心的役割を担うことができていないことが明らかになった。MSWや病棟の医師、看護師どの調整、連携、スクリーニングシートや運携パスの活用、院内の情報システムの活用による退院調整看護師を有効に機能させるための実践的なモデルを示すことができた。
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