研究課題/領域番号 |
17592314
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
近澤 範子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (40118055)
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研究分担者 |
玉木 敦子 兵庫県立大学, 看護学部, 助教授 (90271478)
原田 奈津子 兵庫県立大学, 看護学部, 助手 (90382267)
青山 のぞみ 兵庫県立大学, 看護学部, 助手 (00438269)
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キーワード | こころの健康相談 / メンタルヘルス / まちの保健室 / 看護師 |
研究概要 |
1.「こころの健康相談」の実践 電話予約による個人面接(50分間)を毎月1回(来談者定員4名)継続して実施した。本年度は予約件数42件、キャンセル件数10件、実施件数は32件であった。来談者数は16名(男性2名、女性14名)で、新規10名、継続6名であり、相談回数は1回6名、2回5名、3回3名、4回と5回がそれぞれ1名であった。 2.来談者に対する調査 昨年度に引き続き、倫理的配慮のもとに3種類の調査を実施した。結果の概要は次の通りである。 1)相談内容の分析検討 分析の結果、相談面接において提供されているアプローチの要素として<悩みを受け止める><本人の力を認める><ストレス状況を見直す><対処力を高める><心理教育的な助言><病気や治療に関する専門知識の提供><精神状態の査定・精神科受診の勧め><社会資源の情報提供>が抽出された。 2)相談の成果に関する質問紙調査 研究協力に同意した10名のうち6名から回答が得られた。(1)相談への期待、(2)相談によって得られた成果等に関する分析結果は昨年度の調査結果と概ね同様であった。 3)継続来談者への面接調査 研究協力に同意した1名に面接調査を行い、(1)については「気持ちを整理したい」、「しんどさを何とかしたい」、(2)については「心理的な安定」、「自己への気づき」、「気持ちの前向きな変化」などの分析結果が得られた。 3.地域の関連専門職に対する面接調査 地域の精神科診療所、心療内科、健康福祉事務所、精神保健福祉センター等に勤務する医師、臨床心理士、精神保健福祉士、保健師等の専門職のうち、文書および口頭での研究協力に同意した10名に対して面接調査を実施した。その結果、「こころの健康相談」に対する<利用しやすい><安心して相談できる><独自の役割がある>などの認識や、<専門機関にできない部分をカバーしてほしい><看護師としての専門的な役割を担ってほしい>などの役割期待、面接頻度や定員等の活動形態に関する意見、連携に関する意見等が得られた。 4.看護師による「こころの健康相談」モデル(試案)の作成 以上の調査結果ならびにその考察を踏まえて、「こころの健康相談」活動の普及に寄与し得るよう概念モデルについて検討し、《活動形態》《アプローチの要素と技法》《面接者の資質》《運営体制》の4つの局面について構成要素とその内容を特定して試案を作成した。モデルの妥当性の検討を踏まえて精錬することが今後の課題である。
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